東京で英日の会議通訳をしている山本みどりです。
突然ですが、先日まで2ヶ月ほど自宅でリフォーム工事が行われていました。そのため、自分のオフィススペースがなくなり、家の外から遠隔通訳案件に参加する必要がありました。
そこで、初めて1人個室タイプのレンタルオフィスを利用しました。
当初は、駅などで見かけるステーションワークやオフィスビルにあるテレキューブくらいしか知りませんでしたが、探してみるとさまざまな貸し会議室・ワークブースが存在します。
今回は、実際に利用したテレキューブ、いいオフィス、SoloTimeについて、防音性、空調や快適さ、予約の使い勝手など、実務で使う観点から比較してみました。
用途に合わせた選び方と、最終的にどのサービスをメインに選んだか、についてご紹介します!
1人用レンタルオフィスの選び方・比較のポイント
1人用レンタルオフィスを選ぶ際、単に「個室である」というだけでは不十分な場合があります。特にオンライン会議で遠隔通訳、といった音環境が重視される業務を行う場合、事前に確認すべきポイントがあります。
私が今回複数のワークスペースを実際に利用した結果、以下の3つを重視するようになりました。
防音性(隣の声、廊下の物音、外の雑音の聞こえにくさ)
リモート通訳を行う上で重要なのは、やはり、自分の声が外部に漏れないか?また、外の音が入ってこないか、という防音性だと思います。
音が漏れている、または外の音が聞こえてくるという問題はもちろん、周囲の音を気にするということ自体がストレスとなり、会議の集中が妨げられてしまい、通訳の質が犠牲になりかねません。
遠隔通訳をする際は、防音性がよい個室のレンタルオフィスを選ぶ第一の基準になるでしょう。
快適さ・空調設備
密閉された個室ブース内では、快適さも重要です。
空調が部屋ごとに個別に調整可能か、あるいは施設全体の一括管理で個別調整が不可なのか、これによって快適さは大きく変わってきます。
また、部屋の広さや、常時換気がされているかどうかも確認すると良いでしょう。
狭い部屋・天井の低い部屋は圧迫感があるので、長時間の作業ではストレスや息苦しさを感じる可能性があります。
予約のしやすさ・使いやすさ
このような個室レンタルオフィスは、専用アプリやインスタベースのようなプラットフォームを使って予約することがほとんどです。
事前に部屋指定が可能な場合とそうでない場合があります。
予約方法によって使い勝手が変わるため、用途に合わせた選択が必要になります。
また、予約の手続きがわかりにくい、利用方法がわかりにくいというのは、余計な手間とストレスになるので避けたいところです。
そして、使いやすさについて見逃しがちなのが「WiFiなどのネットワーク環境」です。
特に遠隔会議の場合、WiFi環境が悪い、テザリングをしたいのに携帯の電波が入りにくい…というようなネットワーク環境は業務に大きく影響してしまうので確認が必要です。
それでは、実際の体験談から通訳業務の目線でレビューをしていきます。
テレキューブの利用レビュー
テレキューブとは、オフィスビルでの設置が多い防音個室型のブースです。この手のブースとしては、駅の設置が多い「ステーションワーク」も有名ですね。
特徴
遮音性、吸音性が高く、Web会議や集中した作業に適した空間となっています。ブースの中には、電源コンセント、スマホスタンド、Wifi、照明、換気機能などが完備されています。
特に都心を中心に設置場所が多く、急なオンライン会議の駆け込み寺になります。オフィス街に強い印象です。
防音性
オフィスビルの中でも静かな場所に設置されていることが多いため、周りの音は気になりませんでした。また、床や天井は布張りになっているため、吸音も良くしてくれると思われます。
防音性とは話がずれますが、予約時間終了5分前になると、天井のスピーカーから「予約終了5分前です」といったアナウンスが流れました。これは、通訳をしている最中に聞こえてきたら集中が削がれそうだな…と思いました。15分程度長めに予約を取るなどして対策を講じる必要があるでしょう。
快適さ・空調設備
思ったほど狭苦しい感じはせず、長く滞在しても大丈夫そうだという印象を受けました。常時換気はされていました。(そのため「ゴー」という音がわずかに聞こえます)
予約方法・使いやすさ
テレキューブのウェブサイトから15分単位で予約できます。わかりやすい予約画面で、簡単に手続きできました。また、WiFiスピードは200Mbps程度出ていました。
いいオフィスの利用レビュー
「いいオフィス」とは、株式会社いいオフィスが運営する、全国展開型のコワーキングスペース、シェアオフィスサービスです。
特徴
オープンスペースでの個人作業エリアだけでなく、1名用個室ブース、少人数向け会議室など、多様な環境を提供。
私が見た限りでは、住宅街エリアにも多くの拠点が見受けられました。そのため、自宅から最寄りの拠点を利用、という使い方ができます。
また、利用料金が比較的リーズナブルだと感じました。専用アプリから予約するとさらにお得感があります。
また、複数人で使える会議室も用意されているので、用途によってはこちらを選ぶと良いでしょう。(単純にスペースが広いから、という理由で選ぶのもアリ)
防音性
私が利用した「いいオフィス」のスペースでは、床はツルツルした素材、壁も一般的なものでした。そのせいか、隣のブースでも利用者が喋り始めると聞こえてきたり、廊下を談笑しながら歩いている利用者の声や物音が気になったりしました。
以上を踏まえて、いいオフィスで個室ブースを利用する際は、
・角部屋を選んで、隣室が一つしかないようにする
・外からの雑音を防ぐために、屋外に面していない個室を選ぶ
という工夫が必要だと思いました。
快適さ・空調設備
空調は各個室内に設置されていて、調節が可能です。
個室の広さとしては、部屋にもよりますが、テレキューブより大きいか同等程度、後述のソロタイム(SoloTime)よりは狭かったです。
予約方法・使いやすさ
インスタベース、または「いいオフィス」公式サイトから会員登録の上、直接予約が可能。
公式サイトからの予約だと、直前まで予約可能、利用途中に延長が可能になりますが、部屋の指定が事前にはできません。利用料はインスタベースより割安です。
インスタベース経由だと部屋の指定ができますので、前述の防音の観点から決まった部屋を確実に予約したい場合は、インスタベース経由をオススメします。
インスタベース経由でも、「いいオフィス」サイト経由でも、予約の手続きはスムーズでした。
インターネット回線のスピードは、200Mbps程度出ていました。
ソロタイム(SoloTime)の利用レビュー
ソロタイムは、主に郊外のエリアを中心に展開されているテレワークオフィス、およびコワーキングスペースです。
特徴
個室の配置にゆとりを感じました。「いいオフィス」は、そのスペースに入ると、会議室や個室が所狭しと配置されているのと対照的でした。
防音性
SoloTimeの公式サイトでも謳われているように、防音効果の高いつくりになっています。具体的には、床はカーペット貼り、個室の正面の壁も吸音効果があるファブリックが貼ってありました。
廊下の物音は多少聞こえますが、隣の個室の声や音はほとんど気になりませんでした。
快適さ・空調設備
テレキューブや「いいオフィス」よりも個室の面積が広いです。間口が広く、居心地が比較的良い。
空調設備は、残念ながら個別の制御はできず、何部屋かまとめて調整するためのコントロールパネルが廊下の壁にありました。
真夏でしたが利用した個室ブースは毎回かなり冷えました…!そのため、防寒対策をしっかりして滞在しました。
予約方法・使いやすさ
インスタベースからも都度予約できますが、直接SoloTimeから予約も可能。SoloTimeの個人会員には、「月額会員」「ドロップイン」というプランがあります。
・月額会員:基本料(月額固定)+個室や会議室の利用料(従量課金)
・ドロップイン:オフィス利用料(税込770円/1時間)+個室や会議室の利用料(従量課金)
私の場合は、毎日通うわけではないので、ドロップインを選択しました。
QRコードをかざしてSoloTimeのスペースに入ると、飲食スペースや、ゆるく区切られた1人用ワーキングスペースがあります。それらは利用料に含まれていますが、個室を利用する場合は、事前の予約が必要で上記の料金がかかります。
仮に一つの拠点だけを使う、1回あたり4時間半以上の利用、と仮定した場合、月に10回以上利用するなら、月額会員の方がお得になります。(ドロップイン料金は1日あたり3,300円が上限、フルタイムプランの場合の月額料金は都内では多くの店舗で29,700円のため)
全体的にスペースに高級感があり、居心地がよかったです。
ただその分、利用料金は「いいオフィス」より高めでした。
インスタベース経由でも、SoloTimeサイト経由でも、予約の手続きはスムーズでした。
インターネット回線のスピードは、200Mbps程度出ていました。
比較の結果…私がSoloTimeをメインに選んだ理由
まとめると、
・テレキューブ:大規模なビルの内部に配置されていることが多い。まさに「ブース」。利便性の高い場所に配置されているので、移動の間に利用するのによさそうである
・いいオフィス:リーズナブルな料金で手軽に利用できる。スペースは狭めで防音性も高くないが、短時間利用するのには便利そう
・SoloTime:防音性が高く、居心地がよい。自分の「第二のオフィス」としてストレスを感じずに使うなら、ここが一番よい
という結論に達しました。また、実際は、テレキューブは自宅から少し遠かったため、いいオフィスとSoloTimeの一騎打ちの結果、SoloTimeに軍配が上がった形です。
最後に…貸し会議室の活用で働き方がより柔軟になる!
今回は、自宅のリフォームというピンチが、結果的に貸し会議室を開拓し、その利便性について学ぶというきっかけになりました。
実は、一番最初に利用する際は、慣れるために練習をしました(笑)。
時間のあるときに30分〜1時間くらい予約して、その個室を一度使ってみたのです。なんなら、1人でZoom会議をつないで喋ってみたりする。
そうすることで、音の響き方もわかりますし、何よりその場所に馴染んでおくことができます。
当日のサプライズ(=ストレス)を減らすことができますので、心配な方は一度練習のために使ってみるのもおすすめです。
今後も、移動先から最寄りの個室ブースに入って遠隔通訳業務をこなす、どうしても集中したいときに時間を区切って借りて缶詰状態になって業務の準備をする、など、さまざまな形で活用したいと思います。
