オンラインミーティングを円滑に進めるコツ(事前準備編)

こんにちは。東京で会議通訳をしている山本みどりです。

コロナウィルス感染拡大の影響で外国人が来日できないため、最近はZoomやTeamsを使ったオンライン会議で通訳サービスを提供しています。

4~5月は自宅からオンライン会議に入ってきましたが、6月以降は現場の仕事もぽつりぽつりと戻りつつあります。といっても、厳密にいうと日本側のクライアント先に赴き、そこで海外とオンラインで繋いで話し合うのです。

今回の記事では、オンライン会議をよりやりやすく、伝わりやすくするためのヒントをお伝えします。

オンラインで会議をする際の問題点

まず、オンライン会議とはどういう状況なのでしょうか?

オンラインでは参加者がパソコンから入ってきて、パソコンの画面を見ながら会議が進行します。

参加者が頼れる情報は、基本的に音声と画面上の文字しかありません。そのため、リアルな会議とは違った問題点やトラブルが発生する可能性があります。

場の雰囲気や参加者の表情などが読み取れない

リアル会議であれば、場の雰囲気や参加者の表情のような非言語情報も重要な情報になりますが、オンラインではそれがありません。

ビデオをONにしておけば参加者の顔は確かに見えますが、情報として頼れるほどしっかりと確認できるわけではありませんし、若干の時間のずれもあります。

また、私が経験した限りでは、オンライン会議を安定させるために参加者は基本的にビデオをオフにして顔を出さない会議も多くありました。

音声のトラブルがあると会議が円滑に進まない

音声の面でトラブルが発生すると、会議が中断してしまったり、話が円滑に進まない事があるので特に気をつけなければいけません。

特に参加者の中にPC内蔵のスピーカーを使っていてマイクをミュートにしていない人がいる場合、ハウリングが起こることがあります。

いったんハウリングが起こると、会議が中断し、「発言しない方はミュートにしてください」という周知が必要になります。貴重な会議の時間が無駄になってしまいます。

会議が円滑に進まなくなる問題として、音声の遅れも考えられます。

他人からの音声が自分に届くのに、また自分の音声がほかの人に届くまでにも多少の時間がかかります。

複数の発言が同時に発生してしまうこともあります。

また、場の雰囲気がわかりづらいため、参加者からの活発な発言を得にくいこともあります。

円滑にリモート会議を進めるテクニック

では、どうしたら上記のような問題を解決し、円滑に進めることができるでしょうか?

オンライン会議の基本ルールの周知徹底を図る

音声のハウリング問題については、

• 参加者みんながヘッドホンをつける
• 発言する人以外はミュートにする
• 発言するときはミュート解除を忘れずに

ということを参加者全員が実行するだけで大幅な改善が期待できます。

ヘッドホンは、USB接続ができてマイクもついているタイプがおススメです。

実際、コロナ禍でUSB接続ができるヘッドセットは軒並み品切れになったくらいです。

この様に、発生する可能性のある問題を想定して「参加する際の基本ルール」を決めておくとよいでしょう。

通信環境を安定させる

また、ネット接続を有線にするのも効果的です。Wifiだと、電波の状況次第でブツブツと音声が途切れてしまったり、こちらからの発言がほかの人に途切れて伝わったりすることもあるのですが、有線にすることで通信が安定します。

ルーターとPCの距離が近ければルーターに直接LANケーブルを挿して簡単にPCと繋げられます。距離が離れている場合は、ルーターとPCの間にスイッチングハブを置いて、有線2本で繋ぐこともできます。

また、中継器を使用している場合は、中継器にLANケーブルを挿してPCとつなぐこともできます。

つまるところ、「なるべくいろいろ有線で繋ぐ」ことが通信の安定には重要なんですね。

会議の進行役を決めて議論の交通整理をする

「参加者からの発言を促しにくい」
「複数の発言が同時にある」
「音声が届くのに若干の時間がかかる」

という点については、会議の進行役を一人決めて、その人が議論の交通整理をするとよいでしょう。

つまり、会議の進行を行い、チャットに上がってくる質問を都度確認して、スピーカーに投げるようにする、その際に質問者の名前をリピートするのです。

また、口頭で参加者から質問があった場合も、進行役がもう一度繰り返して確認すると、参加者全員に質問が伝わるでしょう。

音声が届くのには若干の時間がかかりますから、会議の進行役は常に「一呼吸おいてから」次に進む、合の手を入れる、ということを意識するとよいでしょう。

可能であれば、進行役の補佐を務める人も一人いると、取りこぼしを防げるのでより安心ですね。

通訳として気をつけていること

最後に、私自身がオンラインで通訳するときに気をつけていることを紹介します。

上記の内容とかぶるのですが、

• スイッチングハブ経由で有線でインターネットに接続し、遅延を最小限に抑え、通信を安定させています。
• USB接続のヘッドホンとマイクを使用し、高音質で通訳を提供しています。

オンライン会議にも柔軟に対応できる知識と工夫を

今回は、オンライン会議を円滑に進めるコツについてお伝えしました。

まとめると、

・参加者はヘッドホンをつける(可能ならマイク付きのもの)
・発言する人以外はミュートにしておく
・発言するときはミュート解除を忘れない
・可能であればネット接続を有線にする
・会議の進行役を決め、その人がチャットから質問を拾ったり、参加者からの発言をリピートしたりして、丁寧に会議を進行する

ということになります。

オンライン会議に不慣れだと、トラブルや問題が発生した時に慌ててしまいますし、貴重な時間を台無しにしてしまうリスクもあります。

いざという時に慌てないためにも、

• どんな問題があるものなのか?
• リアルと比べてどれだけ勝手が違うのか?
• 起こり得るトラブルとその対処法

など、しっかりと想定して準備しておくと安心です。

今回は一般的なオンライン会議の進行の観点からお伝えしました。

次回以降で、オンライン会議の遠隔通訳ってどうなの?どうやるの?という内容をお届けする予定です!