【通訳者のプロ意識】最新動向や知識を知っておくのは当たり前。日進月歩の宇宙開発・衛星・通信技術のニュースを見て感じたこと

通訳者の山本みどりです。

私はテック系の通訳を得意としており、関連ニュースは欠かさずチェックをしています。

私たちの生活の中で、インターネットは欠かせないものになりました。今後、宇宙開発・衛星・通信技術はさらに発展すると思われます。

そんななか、通訳者としても最新動向や最低限の知識を知っていないと、適切な通訳、円滑なコミュニケーションのサポートができません。

今回は、インターネット通信について取り上げます。

通訳者のブログなのでThe Washington Postの記事などを参考に英訳例を交えながら、最近思うことを書いていきます。

少し前になりますが、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった直後、「ウクライナのフョードロフ副首相兼デジタル転換相(Vice Prime Minister of Ukraine and Minister of Digital Transformation)がTwitter上でイーロン・マスクに直接支援を要請」というニュースがありました。

この「つぶやき(tweet)」を受けて、イーロン・マスクの会社SpaceXは衛星を使ったインターネットサービス(satellite internet service)であるStarlinkをウクライナ向けに開放(activated the service in Ukraine)、通信のために必要な端末(terminals)が多数ウクライナに届けられることになりました。

ロシアによるウクライナ侵攻により、ウクライナは停電や爆撃によって光回線が破壊されることで、インターネットが遮断されるリスクにさらされていました(faced threats of Russian cyberattacks and shelling that had the potential to take down the Internet)。

そのような状況下、衛星を介したインターネットサービスであるStarlinkの提供を受けることで、バックアップの通信(backup connectivity, stopgap measure)を確保できたのです。

インターネット通信といえば、2022年1月にトンガの海底火山が噴火し、トンガのインターネット通信が不通になりました。(Tonga was cut off from the internet.)

それは、トンガに通じている海底光ケーブルが噴火によって破損した(the volcano’s blast severed the underwater fiber-optic cable)ためで、修復には約5週間がかかりました。

我々がネット上でアクセスする情報は、どこかしらのコンピュータ(サービスを提供するので「サーバ(server)」と呼びます)のなかにあります。我々が情報にアクセスするときは、そのサーバに接続する(connect to a server)して、情報を閲覧したり、様々なサービスを利用することができるのです。

また、我々自身はプロバイダーと契約をする(sign up with an internet provider)ことで、インターネットにアクセスする(access the internet)ことができます。

プロバイターの先(beyond the provider)、プロバイダーとプロバイターのあいだ(between providers)や、世界中に存在するサーバ(servers across the globe)とは、物理的なケーブルでつながって(connected with physical cables)います。

海を隔てた国とのデータのやり取り(inter-continental data exchange)には、海底ケーブル(submarine/ undersea internet cable)が使われています。(参考

トンガの場合は、海底火山噴火によって、隣国フィジーとつながっている海底ケーブルが破損したために、インターネット通信が遮断されてしまったのです。

噴火から約5週間後に、海底ケーブルが修復され、ネット通信が復旧しました。(Tonga’s internet connection has been restored.)

このように、インターネット通信には、海底光ケーブルと、Starlinkのような衛星通信が使われています。

今後は宇宙開発(space development)や量子コンピューティング(quantum computing)の技術が進み、衛星通信がさらに発展する可能性があります。

だからこそ、この分野における最低限の知識・用語はしっかり学んでおかないと、時代についていけなくなってしまいます。

今回は、英訳例を交えながら文章を書いてみました。専門用語はもちろん、テック系ならではの表現、日本語と英語の言い回しの違いなど、専門分野によって通訳のお作法はかなり異なります。

得意分野はもちろん、他分野においても通訳者としてアンテナを張っていく必要があると感じます。

日々勉強ですが、私は新しいことに触れるのが好きで、これも通訳者の楽しみ、やりがいの一つだと思っています。